2008.11.10 Monday
何処へ?
10月の終わり、祖母が他界した。
孫の贔屓目かも知れないが、長く生きた人間の垢のようなものが不思議とない人だったように思う。 死に顔は、綺麗にお化粧していただいたこともあるだろうが、すごく美人だった。 絶対に嫌がる筈だから、止したけど写真を撮っておきかったくらい。 初めて人の死に立ち会ったのは、この祖母の母である曾祖母の時だった。 春のことで、妙に白い一日だった。 大勢、黒い服の見知った親戚や、会った事のない人々やらが、次々に来る。 人の出入りが盛んなのに、空気がぴたっと動かない感じがした。 否、浮かんで揺れているが、流れ出さない、溶け出ない、そんな感じ。 曾祖母が息を引き取った時から、少しの成分も変わらぬ空間。 前の日に、片栗粉に砂糖を足して水に溶いてレンジでチンとしてできたゼリーのようなお餅のようなそれのやり方を発見したので、何度も風邪気味の曾祖母の部屋と 台所を往復した。 全く凄い!と言って、嬉しそうに食べてくれたその半透明のぺらっとしたのがまだ、そのお腹に入っているに違いないのだ。 命が出入りする時の、静けさだったんだなあと思う。 空気に裂け目がないのに、どねしてどっかに行くねやろ?と思っていた。 行き方、どねすんねやろ?と思っていた。 そのくらい、窓を開けようが、お経を唱えようが、お花をいっぱい飾り付けようが空気がぴたりと動かない日でありました。 「あ」と声に出して言えばそのままずっと「あ」がそこに留まって浮かんでいるよな静けさと白いあかるさでした。
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